補完代替療法のひとつ、バッチフラワーレメディ Bach Flower Remedyについて書いていこうと思います。医療というよりは民間療法に近く、効果もマイルドで個人差が大きいですが、感情の問題にはよいこともあります。なるべくレメディのもとになっている植物のイメージが持てて、みなさんがご自身で選ぶときの役に立つように書いていきます。
今まで私が行ったバッチフラワーレメディのカウンセリングで、一番よく出たレメディはこのクラブアップル(Malus sylvestris ヤマリンゴ)です。
クラブアップル Crab Appleはバラ科果樹のリンゴの原種で、樹高は大きくて10mほどです。光を好み競争に弱いため、湿った森林の一番外側で見かけます。果実は食用のリンゴより小さく4cmほどです。食用や加工用にも使われますが、庭木として花を楽しんだりするために植えられることが多いようです。リンゴは神話に多く登場する果樹で、生命や豊かさのシンボルです。特に「黄金のリンゴ」はギリシア神話や北欧神話にも出てくるモチーフで、「不老不死」のイメージですすが、一方でそれを巡ってさまざまな争いのもとにもなります。
一番有名なエピソードは、ギリシア神話の「パリスの審判」ではないでしょうか。ゼウスが開いた祝宴に招かれなかった不和と争いの女神、エリスは「もっとも美しい女神に」と書かれた黄金のリンゴを投げ入れます。ゼウスの妻ヘーラー、知恵と芸術の女神アテーナー、愛と美の女神アフロディーテが自分こそがリンゴを持つにふさわしいと主張し、困ったゼウスはトロイアの美しい王子パリスに審判をゆだねます。結果、最も美しい女を妻に与えると約束したアフロディーテがリンゴを獲得し、パリスはスパルタ王の后ヘレネーを奪い去り、これがトロイア戦争のもとになりました。
イギリスのウェールズには「1日1個のリンゴは医者を遠ざける An apple a day keeps the doctor away」ということわざがあります。
クラブアップルは、自己イメージとかかわります。自分を受け入れられない、自己嫌悪がテーマです。特に自分が汚れていると感じます。欠点にとらわれていて、自分の美点や長所に気づくことができなくなっています。自分の理想とする純粋さが高いレベルにあり、そこと比べてしまうのです。クラブアップルのレメディは、自分の持っている宝物や豊かさに目を開かせてくれます。自分が受け入れられない、自分がわからなくなっているときに、使うと助けになります。
日本人の女性は社会から要求されることがとてつもなく多く、自分の本来の自然なありかたと齟齬が生じて苦しみになるパターンが多いので、それがクラブアップルの出番の多さにつながっているのかもしれません。
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